たんぱくせき
蛋白石

冒頭文

(一) 劇場の廊下で知り合いになってからどう気が向いたものか肇はその時紹介して呉れた篤と一緒に度々千世子の処へ出掛けた。 千世子は斯うやってちょくちょく気まぐれに訪ねて来る青年に特別な注意は、はらわなかった。 けれ共相当の注意を無意識の裡に呼び起こされるほどセンチメンタルな言葉を洩して居た。 細い背の高い体と熱い様な光りの有る眼とを持って眼の上には長くて濃い□□

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 宮本百合子全集 第二十八巻(習作一)
  • 新日本出版社
  • 1981(昭和56)年11月25日