にしきぎ
錦木

冒頭文

(一) 京でなうても御はなは咲いた  恋の使の春(ハル)の小雨が   たよりもて来てそとさゝやけば    花は恥らふてポト笑んだ     京でなうても御はなはさいた。 にわかのあたたかさ、夢から現にかえったように、今更事々しく人の口葉にのぼる花見の宴をはる東の御館と云うのは、この里の東の方を一帯にのこって居るみどりの築土あるのがそれ、東の御館と呼んでも、この人とぼしい山里に

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 宮本百合子全集 第二十八巻
  • 新日本出版社
  • 1981(昭和56)年11月25日初版