「へいけものがたり」ぬきほ(げんぶんいっちやく) |
「平家物語」ぬきほ(言文一致訳) |
冒頭文
葵の前 (高倉) 其の頃何より優美でやさしいことの例に云い出されて居たのは中宮の御所に仕えて居る局の女房達がめしつかわれて居た上童の中に葵の前と云って陛下の御側近う仕る事がある上童が居た。およびになるほどの御用がなくっても主上は常に御召になって居るので主の女房も召しつかう事が出来ずかえって主の女房が葵の前を御主人のようにもてなしていらっしゃった。昔のひなうたに「女を生んでも悲しんではならな
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 宮本百合子全集 第二十八巻
- 新日本出版社
- 1981(昭和56)年11月25日初版