しゅじゅのことば |
侏儒の言葉 |
冒頭文
「侏儒(しゅじゅ)の言葉」の序 「侏儒の言葉」は必(かならず)しもわたしの思想を伝えるものではない。唯わたしの思想の変化を時々窺(うかが)わせるのに過ぎぬものである。一本の草よりも一すじの蔓草(つるくさ)、——しかもその蔓草は幾すじも蔓を伸ばしているかも知れない。 星 太陽の下に新しきことなしとは古人の道破した言葉である。しかし新しいことのないのは独り太陽の下ばかりではない。
文字遣い
新字新仮名
初出
「文藝春秋」1923(大正12)年1月~1925(大正14)年11月、「文藝春秋」1927(昭和2)年9月
底本
- 芥川龍之介全集7
- ちくま文庫、筑摩書房
- 1989(平成1)年7月25日