しんハムレット
新ハムレット

冒頭文

はしがき こんなものが出来ました、というより他(ほか)に仕様が無い。ただ、読者にお断りして置きたいのは、この作品が、沙翁(さおう)の「ハムレット」の註釈書でもなし、または、新解釈の書でも決してないという事である。これは、やはり作者の勝手な、創造の遊戯に過ぎないのである。人物の名前と、だいたいの環境だけを、沙翁の「ハムレット」から拝借して、一つの不幸な家庭を書いた。それ以上の、学問的、または政

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 新ハムレット
  • 新潮文庫、新潮社
  • 1974(昭和49)年3月30日