ばくまついしんかいこだん 10 ぶっしのみせのはなし(しょくにんきしつ) |
幕末維新懐古談 10 仏師の店のはなし(職人気質) |
冒頭文
師匠東雲師の家が諏訪町(すわちょう)へ引っ越して、三、四年も経(た)つ中(うち)に、珍しかった硝子(ガラス)戸のようなものも、一般ではないが流行(はや)って来る。師匠の家でもそれが出来たりしました。障子(しょうじ)の時は障子へ「大仏師高村東雲」など書いてあったもの。 仕事は店でやったものです。店には兄弟子(あにでし)、弟(おとうと)弟子と幾人かの弟子がいますが、その人々はただ腕次第、勉強
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 幕末維新懐古談
- 岩波文庫、岩波書店
- 1995(昭和30)年1月17日