ばくまついしんかいこだん 08 「きよせ」そのたのはなし
幕末維新懐古談 08「木寄せ」その他のはなし

冒頭文

木寄(きよ)せのことを、ざっと話して置きましょう。 仏師に附属した種々(いろいろ)の職業が分業的になってある中に、木寄師(きよせし)もその一つであります。これは材料を彫刻家へ渡す前に、その寸法を彫刻家の注文通り断ち切る役なのです。 正式の寸法の割合として、たとえば坐像二尺の日蓮(にちれん)上人、一丈の仁王(におう)と木寄せをして仏師へ渡します。結局(つまり)、仏師が彫るまでの献

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 幕末維新懐古談
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1995(昭和30)年1月17日