ばくまついしんかいこだん 06 たかむらとううんのおいたち
幕末維新懐古談 06 高村東雲の生い立ち

冒頭文

そこで、これから師東雲先生の生い立ちを話します。 東雲師は元奥村藤次郎といった人で、前述の通り下谷北清島長(源空寺門前)の生まれである。その師匠が当時江戸で一、二を争うところの仏師高橋法眼鳳雲(ほうげんほううん)という有名な人でありますが、この人のことは別に改めて話すことにする。 東雲師の姓の奥村氏が後に至って高村となり、藤次郎が東雲と号したことについては所以(いわれ)のあるこ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 幕末維新懐古談
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1995(昭和30)年1月17日