こまだいのはつあんしゃ
駒台の発案者

冒頭文

京橋の新富町(しんとみちやう)に、小松将棋所といふのがあつた。こゝの主人は小松三香(さんきやう)と云ひ、将棋は四段であつたが、ある日、わたしがたづねて行くと、 「ちやうどいゝところへきた。——品川に川島楼といふ貸座敷があるが、その飯塚といふ主人が将棋が好きで、そこへ行くと飲ましてくれるし、また褒美(ほうび)にありつけるかも知れぬ。もし、暇だつたら行つてみたらよからう。」と、いふ。 酒を

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻8 将棋
  • 作品社
  • 1991(平成3)年10月25日