おうごんちょう
黄金鳥

冒頭文

一 貧乏な百姓(ひゃくしょう)の夫婦がいました。二人は子どもがたくさんあって、苦しいところへ、また一人、男の子が生れました。 けれども、そんなふうに家(うち)がひどく貧乏だものですから、人がいやがって、だれもその子の名附親(なつけおや)になってくれるものがありませんでした。 夫婦はどうしたらいいかと、こまっていました。すると、或(ある)朝、一人のよぼよぼの乞食(こじき)の

文字遣い

新字新仮名

初出

「世界童話集 第一編『黄金鳥』」春陽堂、1917(大正6)年4月

底本

  • 鈴木三重吉童話集
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1996(平成8)年11月18日