そうていについて はるといえおよびそのほか
装釘に就て 『春』と『家』及び其他

冒頭文

近頃出した『千曲川のスケツチ』は装釘としては、宜い案です。国の方で父の碑を立てるに就て歌抔(など)を集めた遺稿を、東京で印刷して欲しいと云ふので、有島さんに描いて貰つた表紙は赤ちやけた黒いラシャ紙に黒で印刷した素朴で強い感を与へた。 私の従来作つた書物の中では、私では、有島さんに願つた、『家』の中の挿画の「台所」と「座敷」とである。家と云へば広漠なものだから、それを表はすには、「台所」や

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻87 装丁
  • 作品社
  • 1998(平成10)年5月25日