よあけまえ 04 だいにぶげ
夜明け前 04 第二部下

冒頭文

第八章       一  母(はは)刀自(とじ)の枕屏風(まくらびょうぶ)に いやしきもたかきもなべて夢の世をうら安くこそ過ぐべかりけれ 花紅葉(はなもみじ)あはれと見つつはるあきを心のどけくたちかさねませ おやのよもわがよも老(おい)をさそへども待たるるものは春にぞありける 新しく造った小屏風がある。娘お粂(くめ)がいる。長男の宗太(そうた)がいる。継母おまんは屏風の

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 夜明け前 第二部(下)
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1969(昭和44)年2月17日