うもんとりものちょう 22 いんねんのめおとびな
右門捕物帖 22 因縁の女夫雛

冒頭文

1 ——その第二十二番てがらです。 場所は少しく飛んで、いわゆる江戸八宿のうちの一つの新宿。竹にすずめは仙台(せんだい)侯、内藤様は下がり藤(ふじ)、と俗謡にまでうたわれたその内藤駿河守(ないとうするがのかみ)の広大もないお下屋敷が、街道(かいどう)ばたに五町ひとつづきの築地(ついじ)べいをつらねていたところから、当時は内藤新宿といわれたものですが、品川の大木戸、ここの大木戸、共に

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 右門捕物帖(三)
  • 春陽文庫、春陽堂書店
  • 1982(昭和57)年9月15日