はたもとたいくつおとこ 11 だいじゅういちわ ちよだじょうへのりこんだたいくつおとこ |
旗本退屈男 11 第十一話 千代田城へ乗り込んだ退屈男 |
冒頭文
一 その第十一話です。少し長物語です。 神田明神(かんだみょうじん)の裏手、江戸ッ児が自慢のご明神様だが、あの裏手は、地つづきと言っていい湯島天神へかけて、あんまり賑やかなところではない。藤堂家(とうどうけ)の大きな屋敷があって、内藤豊後守(ないとうぶんごのかみ)の屋敷があって、ちょっぴりとその真中へ狭まった町家のうちに、円山派(まるやまは)の画描き篠原梅甫(しのはらばいほ)の
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 旗本退屈男
- 春陽文庫、春陽堂書店
- 1982(昭和57)年7月20日新装第1刷