はたもとたいくつおとこ 07 だいななわ せんだいにあらわれたたいくつおとこ
旗本退屈男 07 第七話 仙台に現れた退屈男

冒頭文

一 ——第七話です 三十五反の帆を張りあげて行く仙台(せんだい)石(いし)の巻とは、必ずしも唄空事(うたそらごと)の誇張ではない。ここはその磯節にまでも歌詞滑らかに豪勢さを謳(うた)われた、関東百三十八大名の旗頭(はたがしら)、奥羽五十四郡をわが庭に、今ぞ栄華威勢を世に誇る仙台伊達(だて)の青葉城下です。出船入り船帆影も繁き石の巻からそのお城下までへは、陸前浜街道(りくぜんはま

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 旗本退屈男
  • 春陽文庫、春陽堂書店
  • 1982(昭和57)年7月20日新装第1刷