れんあいきょくせん
恋愛曲線

冒頭文

親愛なるA君! 君の一代の盛典(せいてん)を祝するために、僕は今、僕の心からなる記念品として、「恋愛曲線」なるものを送ろうとして居る。かような贈り物は、結婚の際は勿論のこと、その他は如何なる場合に於ても、日本は愚(おろ)か、支那でも、西洋でも、否(いな)、世界開闢(かいびゃく)以来、未(いま)だ曾(かつ)て何人(なんぴと)によっても試みられなかったであろうと、僕は大(おおい)に得意を感ぜ

文字遣い

新字新仮名

初出

「新青年」1926(大正15)年1月号

底本

  • 日本探偵小説全集1 黒岩涙香 小酒井不木 甲賀三郎 集
  • 創元推理文庫、東京創元社
  • 1984(昭和59)年12月21日