しんはとおる
震は亨る

冒頭文

震(しん)は亨(とほ)る。何をか悪(にく)まむやである。彖伝(たんでん)には、震来つて䖎〻(げきげき)たりとは、恐るれば福を致すなりとある。恐るれば福を致し、或は侮り、或は亢(たかぶ)れば災を致すのは、何事に於ても必ず然様有る可き道理である。古人は決して我等に虚言(うそ)を語つて居らぬ。恐るれば此心はおのづから誠に返る、誠なれば亨り、誠なれば福は至るべきである。そこで震の大象伝(たいしやうでん)に

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻96 大正
  • 作品社
  • 1999(平成11)年2月25日