こっとう
骨董

冒頭文

骨董(こっとう)というのは元来支那(しな)の田舎言葉で、字はただその音(おん)を表わしているのみであるから、骨の字にも董の字にもかかわった義があるのではない。そこで、汨董と書かれることもあり、また古董と書かれることもある。字を仮りて音を伝えたまでであることは明らかだ。さてしかし骨董という音がどうして古物(こぶつ)の義になるかというと、骨董は古銅(こどう)の音転(おんてん)である、という説がある。そ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 幻談・観画談 他三篇
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1990(平成2)年11月16日