まほうしゅぎょうしゃ
魔法修行者

冒頭文

魔法。 魔法とは、まあ何という笑(わら)わしい言葉であろう。 しかし如何(いか)なる国の何時(いつ)の代にも、魔法というようなことは人の心の中に存在した。そしてあるいは今でも存在しているかも知れない。 埃及(エジプト)、印度(いんど)、支那(しな)、阿剌比亜(アラビア)、波斯(ペルシャ)、皆魔法の問屋(といや)たる国〻だ。 真面目に魔法を取扱って見たらば如何

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 幻談・観画談 他三篇
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1990(平成2)年11月16日