ゆがわらゆき
湯ヶ原ゆき

冒頭文

一 定(さだ)めし今(いま)時分(じぶん)は閑散(ひま)だらうと、其(その)閑散(ひま)を狙(ねら)つて來(き)て見(み)ると案外(あんぐわい)さうでもなかつた。殊(こと)に自分(じぶん)の投宿(とうしゆく)した中西屋(なかにしや)といふは部室數(へやかず)も三十近(ぢか)くあつて湯(ゆ)ヶ原(はら)温泉(をんせん)では第(だい)一といはれて居(ゐ)ながら而(しか)も空室(あきま)はイクラも

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 定本 国木田独歩全集 第四巻
  • 学習研究社
  • 1971(昭和46)年2月10日、1978(昭和53)年3月1日増訂版