ゆがわらより
湯ヶ原より

冒頭文

内山君(うちやまくん)足下(そくか) 何故(なぜ)そう急(きふ)に飛(と)び出(だ)したかとの君(きみ)の質問(しつもん)は御尤(ごもつとも)である。僕(ぼく)は不幸(ふかう)にして之(これ)を君(きみ)に白状(はくじやう)してしまはなければならぬことに立到(たちいた)つた。然(しか)し或(あるひ)はこれが僕(ぼく)の幸(さいはひ)であるかも知(し)れない、たゞ僕(ぼく)の今(いま)の心

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 定本 国木田独歩全集 第二巻
  • 学習研究社
  • 1964(昭和39)年7月1日、1978(昭和53)年3月1日増訂版