字引で見ると、すかんぽの和名は須之(すし)であると云ふ。東京ではすかんぽといふ。われわれの郷里ではととぐさと呼んだ。漢名は酸模または薞蕪(そんぶ)である。日本植物圖鑑ではすいばと云ふのが普通の名稱として認められてゐる。今はさう云ふ事が億劫(おくくふ)であるから、此植物に關する本草學(ほんざうがく)的の詮索は御免を蒙(かうむ)る。 震災前、即ち改築前の大學の庭には此草が毎年繁茂して、五月な