しょうせつかたらんとするせいねんにあたう
小説家たらんとする青年に与う

冒頭文

僕は先ず、「二十五歳未満の者、小説を書くべからず」という規則を拵(こしら)えたい。全く、十七、十八乃至(ないし)二十歳で、小説を書いたって、しようがないと思う。 とにかく、小説を書くには、文章だとか、技巧だとか、そんなものよりも、ある程度に、生活を知るということと、ある程度に、人生に対する考え、いわゆる人生観というべきものを、きちんと持つということが必要である。 とにかく、どん

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 半自叙伝
  • 講談社学術文庫、講談社
  • 1987(昭和62)年7月10日