しょうぎ
将棋

冒頭文

将棋はとにかく愉快である。盤面の上で、この人生とは違つた別な生活と事業がやれるからである。一手一手が新しい創造である。冒険をやつて見ようか、堅実にやつて見ようかと、いろ〳〵自分の思ひ通りやつて見られる。而(しか)も、その結果が直ちに盤面に現はれる。その上、遊戯とは思はれぬ位、ムキになれる。昔、インドに好戦の国があつて、戦争ばかりしたがるので、侍臣が困つて、王の気持を転換させるために発明したのが、将

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻8 将棋
  • 作品社
  • 1991(平成3)年10月25日