いしょ
遺書

冒頭文

拝啓 昨日はおいそがしいところを貴重な時間を割き御引見下され有難う存じました。先生のいつに変らず御元気な御様子をまことに心強く存ぜられました。さてその際先生より私身、後のことについて御示唆がありましたので、遺言と申す程のことはありませんが、家内へ申し伝えたい言葉を先生までお伝え致しおき、小生死後先生よりお伝え願ったらいかがなものかと、ふと心付きましたのでこの手紙を認めました次第でございま

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻17 遺言
  • 作品社
  • 1992(平成4)年7月25日