ほうとするはなし まつりのはっせい そのいち
ほうとする話 祭りの発生 その一

冒頭文

一 ほうとする程長い白浜の先は、また、目も届かぬ海が揺れてゐる。其波の青色の末が、自(オノ)づと伸(ノ)しあがるやうになつて、あたまの上までひろがつて来てゐる空である。ふり顧(カヘ)ると、其が又、地平をくぎる山の外線の立ち塞つてゐるところまで続いて居る。四顧俯仰して、目に入る物は、唯、此だけである。日が照る程、風の吹く程、寂しい天地であつた。さうした無聊の目を睜らせるものは、忘れた時分にひよっく

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 折口信夫全集 2
  • 中央公論社
  • 1995(平成7)年3月10日