じしょ
辞書

冒頭文

日本の辞書のできてくる道筋について考えてみる。 そういうとき、すぐにわれわれは『倭名類聚鈔』を頭に浮かべる。それより前には辞書がなかったかというと、以前のものが残っていないというだけのことで、源(ノ)順が突如として辞書をこしらえたというのではない。『倭名鈔』があれだけ正確な分類をしていることからみても、それが忽然と出てくるわけはない。それまでに、辞書を作る修練を日本の学界は積んでいたので

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻74 辞書
  • 作品社
  • 1997(平成9)年4月25日