むらむらのまつり
村々の祭り

冒頭文

一 今宮の自慢話 ことしの夏は、そんな間(マ)がなくて、とう〳〵見はづして了うたので、残念に思うてゐる。毎年、どつかで見ない事のない「夏祭浪花鑑」の芝居である。音羽屋と言ふ人の、今度久しぶりで、院本に拠つた団七九郎兵衛は、見たかつたけれども、今更どうにもならない。でも、其演出は原作に忠実であつたと言ふだけに、一个処見て置きたい場面があつた。「祇園囃しの祭りの太鼓。ちようや、ようさ。ようさや、ちよ

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆44 祭
  • 作品社
  • 1986(昭和61)年6月25日