『しんやくげんじものがたり』しょはんのじょ
『新訳源氏物語』初版の序

冒頭文

源氏物語の現代口語訳が、与謝野夫人の筆に成って出版されると聞いた時、予はまずこの業が、いかにもこれにふさわしい人を得たことを祝した。適当の時期に、適当の人が、この興味あってしかも容易(たやす)からぬ事業を大成したのは、文壇の一快事だと思う。それにつけても、むらむらと起るのは好奇心である。あのたおやかな古文の妙、たとえば真名盤(まなばん)の香(こう)を炷(た)いたようなのが、現代のきびきびした物言(

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 源氏物語上巻 日本文学全集1
  • 河出書房新社
  • 1965(昭和40)年6月3日