ちゅうごくかいきしょうせつしゅう 05 ゆうようざっそ(とう) |
中国怪奇小説集 05 酉陽雑爼(唐) |
冒頭文
第三の男は語る。 「唐(とう)代は詩文ともに最も隆昌をきわめ、支那においては空前絶後ともいうべき時代でありますから、小説伝奇その他の文学に関する有名の著作も甚だ多く、なにを紹介してよろしいか頗(すこぶ)る選択に苦しむのでありますが、その中でわたくしは先ず『酉陽雑爼』のお話をすることに致します。これも『捜神記』と同様に、早くわが国に渡来して居りますので、その翻案(ほんあん)がわが文学の上にもし
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 中国怪奇小説集
- 光文社文庫、光文社
- 1994(平成6)年4月20日