でんきかんばんのしんけい
電気看板の神経

冒頭文

冒頭(ぼうとう)に一応断(ことわ)っておくがね、この話では、登場人物が次から次へとジャンジャン死ぬることになっている——というよりも「殺戮(さつりく)される」ことになっているといった方がいいかも知れない。そういう点に於(おい)て「グリーン家(け)の惨劇(さんげき)」以来、血に乾いている探偵小説の読者には、きっと受けることだろうと思うんだ。しかし小説ならば兎(と)に角(かく)、いやしくも実話であるこ

文字遣い

新字新仮名

初出

「新青年」博文館、1930(昭和5)年4月号

底本

  • 海野十三全集 第1巻 遺言状放送
  • 三一書房
  • 1990(平成2)年10月15日