こくさいさつじんだんのほうかい
国際殺人団の崩壊

冒頭文

作者(わたくし)は、此(こ)の一篇を公(おおやけ)にするのに、幾分の躊躇(ちゅうちょ)を感じないわけには行かないのだ。それというのも、実(じつ)は此の一篇の本筋は作者が空想の上から捏(こ)ねあげたものではなく、作者の親しい亡友(ぼうゆう)Mが、其の死後に語ってきかせて呉(く)れたものなのである。亡友(ぼうゆう)Mについては、いずれ此の物語を読んでゆかれるうちに諸君は、それがどのような人物で、どのよ

文字遣い

新字新仮名

初出

「新青年」1931(昭和6)年5月号

底本

  • 海野十三全集 第1巻 遺言状放送
  • 三一書房
  • 1990(平成2)年10月15日