一 君は僕を誤解している。たしかに君は僕の大部分を解していてくれない。こんどのお手紙も、その友情は身にしみてありがたく拝読した。君が僕に対する切実な友情を露ほども疑わないにもかかわらず、君が僕を解しておらぬのは事実だ。こういうからとて、僕は君に対しまたこんどのお手紙に対し、けっして不平などあっていうのではないのだ。君をわかりの悪い人と思うていうのでもないのだ。 僕は考えた。