ゆきのつばさ
雪の翼

冒頭文

柏崎海軍少尉(かしはざきかいぐんせうゐ)の夫人(ふじん)に、民子(たみこ)といつて、一昨年(いつさくねん)故郷(ふるさと)なる、福井(ふくゐ)で結婚(けつこん)の式(しき)をあげて、佐世保(させぼ)に移住(うつりす)んだのが、今度(こんど)少尉(せうゐ)が出征(しゆつせい)に就(つ)き、親里(おやざと)の福井(ふくゐ)に歸(かへ)り、神佛(しんぶつ)を祈(いの)り、影膳(かげぜん)据(す)ゑつつ座

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 鏡花全集 卷六
  • 岩波書店
  • 1941(昭和16)年11月10日