いろあつかい
いろ扱ひ

冒頭文

これは作者の閲歴談と云ふやうなことに聞えますと、甚(はなは)だ恐縮、ほんの子供の内に読んだ本についてお話をするのでございますよ。此頃(このごろ)は皆さんに読んで戴いて誠に御迷惑をかけますが、私は何(ど)うして、皆さんのお書きなすつた物を拝見して、迷惑処か、こんな結構なものはないと思ふんです。其(それ)ですが、江戸時代の文学だの、明治の文学だのと云ふ六ヶ敷(むつかし)いことになると、言ひ悪(にく)う

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 現代日本文學大系 5 樋口一葉・明治女流文學・泉鏡花集
  • 筑摩書房
  • 1972(昭和47)年5月15日