よまたのゆり
四又の百合

冒頭文

()() 「正徧知(しょうへんち)はあしたの朝の七時ごろヒームキャの河(かわ)をおわたりになってこの町にいらっしゃるそうだ」 こう言(い)う語(ご)がすきとおった風といっしょにハームキャの城(しろ)の家々にしみわたりました。 みんなはまるで子供(こども)のようにいそいそしてしまいました。なぜなら町の人たちは永(なが)い間どんなに正徧知(しょうへんち)のその町に来るのを望(のぞ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 銀河鉄道の夜
  • 角川文庫、角川書店
  • 1969(昭和44)年7月20日改版初版