めくらぶどうとにじ
めくらぶどうと虹

冒頭文

() 城(しろ)あとのおおばこの実(み)は結(むす)び、赤つめ草の花は枯(か)れて焦茶色(こげちゃいろ)になり、畑(はたけ)の粟(あわ)は刈(か)られました。 「刈(か)られたぞ」と言(い)いながら一ぺんちょっと顔(かお)を出した野鼠(のねずみ)がまた急(いそ)いで穴(あな)へひっこみました。 崖(がけ)やほりには、まばゆい銀(ぎん)のすすきの穂(ほ)が、いちめん風に波立(な

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 銀河鉄道の夜
  • 角川文庫、角川書店
  • 1969(昭和44)年7月20日改版初版