フランスてつがくについてのかんそう
フランス哲学についての感想

冒頭文

私はフランス哲学にはドイツ哲学やイギリス哲学と異なった独得な物の見方考え方があると思う。しかし私は今それについて詳しく考え、詳しく書く暇を有(も)たない。ただこれまで人に話したり、或は機に触れて書いたりしたことを、思い出るままに記すだけである。 デカルトといえば、合理主義的哲学の元祖である。しかし彼の『省察録』Meditationes などを読んでも、すぐ気附くことは、その考え方の直感的

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻92 哲学
  • 作品社
  • 1998(平成10)年10月25日