はんしちとりものちょう 28 ゆきだるま
半七捕物帳 28 雪達磨

冒頭文

一 改めて云うまでもないが、ここに紹介している幾種の探偵ものがたりに、何等かの特色があるとすれば、それは普通の探偵的興味以外に、これらの物語の背景をなしている江戸のおもかげの幾分をうかがい得られるという点にあらねばならない。わたしも注意して、半七老人の談話筆記をなるべく書き誤らないように努めているつもりであるが、その説明がやはり不十分のために、往々にして読者の惑いを惹き起す場合がないとは限ら

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 時代推理小説 半七捕物帳(三)
  • 光文社時代小説文庫、光文社
  • 1986(昭和61)年5月20日