どれいこんじょうろん
奴隷根性論

冒頭文

一 斬り殺されるか、焼き殺されるか、あるいはまた食い殺されるか、いずれにしても必ずその身を失うべき筈の捕虜が、生命だけは助けられて苦役につかせられる。一言にして言えば、これが原始時代における奴隷の起源のもっとも重要なるものである。 かつては敵を捕えればすぐさまその肉を食らった赤色人種も、後にはしばらくこれを生かして置いて、部落中寄ってたかって、てんでに小さな炬火をもって火炙(ひあぶ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 全集・現代文学の発見・第一巻 最初の衝撃
  • 学芸書林
  • 1968(昭和43)年9月10日